瑠璃光院は、日本の美しい文化と歴史が息づく京都にある、魅力的な寺院です。
名前の由来は、光が寺院の苔に反射し、瑠璃(るり)のように輝くことだと言います。
特に、秋の紅葉の季節には、庭園が鮮やかな色に染まり、まるで絵画のような美しさを醸し出します。
最近はインスタ映えスポットとして老若男女問わず人気を博している瑠璃光院ですが、ちょっと高い拝観料を払っても見る価値があるのか、観光を計画する際のヒントをお話しできればと思います。
瑠璃光院へのアクセスと周辺観光
京都には数多くの美しい寺院が存在しますが、その中でも特に魅力的な一つが瑠璃光院です。
アクセスがそれほど良いわけではない(街中からは離れている)ため、気軽に訪れやすい場所ではないかもしれませんが、瑠璃光院は私が数多くの絶景を見てきた中でも、なんとなくずっと頭に残っている風景、という感じです。
絶景を求めている人や、インスタ映え写真を撮りたい人にもおすすめですね。
(後述しますが、スマホでも非常に撮影しやすいです)
瑠璃光院へのアクセス方法としては、京阪の出町柳駅からのアクセスと、京都四条河原町駅からのアクセスが便利です。
出町柳駅から瑠璃光院へ向かう場合は、叡山電鉄に乗って揺られること15分。
八瀬比叡山口駅から徒歩約5分程度で到着することができます。
途中には静かな住宅街が広がっており、散策しながら瑠璃光院への道を進むことができます。
(Googleの経路検索をすると、なぜか三宅八幡宮駅から1.2kmほど歩いて辿り着くルートがおすすめされることがありますが、実際の最寄り駅は八瀬比叡山口なのでご注意ください)
京都四条河原町駅から瑠璃光院へ向かう場合は、京都バスを利用することがおすすめです。四条河原町バス停から乗車し、「八瀬駅前」バス停で下車します。バス停から徒歩約5分ほどで、瑠璃光院に到着します。バスの便数も比較的多く、観光客にとって便利な交通手段ではありますが、観光シーズンにはバスがある程度混みあうので、人込みを避けたい方は電車で行って歩きましょう。
(この写真は、八瀬比叡山口を出てすぐの橋の写真です。既にこのあたりからインスタ映えスポットとして良い感じですね。)
瑠璃光院の中の散策経路の紹介
瑠璃光院は、美しい庭園(山露路(やまろじ)の庭、瑠璃の庭、臥竜(がりょう)の庭)と格式高い建築物(書院)が特徴的な寺院です。
庭園は四季折々の美しい景色が広がり、特に紅葉の時期には絶景となります・・・が、秋の特別拝観は凄まじい人気で、中で落ち着いて景色を楽しむ余裕などは無いため、個人的には夏の新緑の時期(5月~7月)に、青々と色づく瑠璃光院を楽しむのがおすすめですね。
(瑠璃光院の入り口の階段の写真。既に新緑で真緑に染まっていて、ひっそりと静寂な雰囲気が漂っています。)
瑠璃光院の拝観料が高い理由
瑠璃光院の拝観料は2000円。
他の寺院に比べて高い理由は、言ってしまえばその価値ある絶景にあります。
観光客は庭園の外からの眺めることしかできませんが、よく見るとガラスは非常に古い様式のガラスで、透明度が高くない(見る角度によっては歪みが発生するもの)で、それらのメンテナンスには凄まじいお金がかかっていると考えられます。
また、前述のような広い庭園を常に完璧なコンディションに保っている必要があるわけです。
一目見たら、「ああ、これは拝観料2000円とらないとやっていけないわ・・・」と実感するかと思います。
瑠璃光院の美しさを堪能するためには、「えっただのお寺でこの値段?」と一瞬躊躇してしまうちょっとお高い拝観料を払う必要がありますが、その価値は間違いなくあると言えます。
ちなみに瑠璃光院を参拝すると、お土産としてちゃんとしたパンフレット類や、記念の瑠璃光院ボールペンなどをプレゼントされます。
瑠璃光院ボールペンは、写経の時にも使えるようで、実際にそれを使って写経している参拝客も見かけました。
(念のため補足ですが、現地にもボールペンが設置されていますので、写経のためにわざわざボールペンを開封しなければならないわけではありません。)
瑠璃光院の写経について
瑠璃光院では、写経体験も行うことができます。
写経とは、仏教の教えを書写する行為であり、心を静める効果や集中力を高める効果が期待される・・・そうですが、ともあれ、瑠璃光院では、専用のスペースで写経を体験することができます。
専用スペースとはいえ、周りは観光客がいっぱい通りますし、スマホやカメラのシャッター音が鳴り響く環境ですので、集中できるか?と言われると個人的には少し微妙な気持ちがしますが(笑)
予約等不要で、専用スペースさえ空いていれば、追加料金なしで写経体験ができるのは、しんとした空気の中、丁寧に文字を書く時間は心を落ち着ける良い機会となるでしょう。瑠璃光院での写経体験は、特別な思い出となるんじゃないかと思います。
瑠璃光院は、美しい庭園と格式高い建築物が魅力の寺院です。高い拝観料を払う価値がある絶景を楽しみながら、散策や写経体験を通じて心の安らぎを得ることができます。京都を訪れる際には、ぜひ瑠璃光院への訪問を検討してみてください。
写経スペースの写真です。
多い時にはこのスペースに人が結構溢れていたりするので、集中できそうなタイミングを見計らって挑戦してみるのが良いでしょう。
縁側近くに設置された写経用の机にも、リフレクションが。
緑が映り込んでいて見づらいですが、机の上には写経用のボールペンと紙が用意されています。
瑠璃光院のインスタ映えスポットと持っていくべきレンズ
言わずと知れたインスタ映えスポットでもある瑠璃光院ですが、これは景色を映す材質の机に瑠璃光院の額縁庭園が映し出され、非常に美しい写真が撮れる、というものです。
(所謂リフレクションというやつですね。自然風景などでもリフレクションは定番の大人気写真ですが、天候に左右されずに撮れる絶景リフレというのは、やはり重宝されます。)
個人的な意見ですが、瑠璃光院がここまで人気になった理由の一つとして、テーブルの角からのこの定番写真の画角が、ちょうど一般的なスマートフォンを横に向けた時のサイズ(28mmくらい)であることが大きいと思います。
誰でもこのテーブルの角から撮れば、絶景をスマートフォンに収められるというのは、写真家以外にも観光客を集めている大きな理由なのかもしれません。
個人的にはこの定番写真以外にも、廊下の床などを含めて色々なところにリフレクションしている風景もかなり綺麗なので、そちらにも目を向けてほしいところですが・・・
あまりに広角過ぎても人が映ってしまうので、持っていくべきレンズとしては、標準ズーム1本(24mm~70mm)あればある程度は事足りるのではないかと思います。
書院の中は結構狭いので、望遠側もそこまで必要ないと思います。
私も135mm単焦点を持っていきましたが、ほとんど出番はありませんでした。
(とはいえ本当に写真撮影目的で行くなら、皆さん全焦点距離埋まるレンズを持って来られると思いますが・・・)
瑠璃光院の写真の撮り方とカメラの設定について
ここからは具体的に、瑠璃光院の写真の撮り方についてご紹介します。
カメラを持っている方は素直に設定等を参考にしていただければ良いですし、カメラが無い方も、スマートフォンでほぼ同じことが実践いただけるかと思います。
(最近のスマホは三眼レンズなどで、広角から望遠まで撮影可能なことも多いので、正直瑠璃光院に至っては、ちゃんとしたカメラとスマホの差はでにくいと思います。)
ポイント1:ダイナミックレンジに注意、設定可能ならアンダーめで
瑠璃光院の定番写真と言えば「机にリフレクションする青紅葉」ですが、机のリフレクションの暗さと、晴れた日の庭園の明るさは、全然違います。
人間の目は優秀なので、脳が勝手に露出処理をすることで、庭も室内も両方認識できますが、カメラだとそうはいきません。
露出オーバーして白飛びしてしまうとRAW現像しても救済は難しいことが多いので、露出は庭園に合わせて少し暗めに撮り、室内部分は後からシャドウを持ちあげましょう。
スマホ撮影の場合、一部の露出設定等をいじれる機種は別として、最近のスマホカメラアプリは上記の現像処理をシャッターを押した瞬間に自動でやってくれますので、あまり何も考えなくても良いかもしれません。
ポイント2:ローアングルでリフレクションをダイナミックに映す
次はアングルのお話です。リフレクションの撮影の基本ではありますが、アングルとしては「リフレクションしている物体すれすれにカメラを構える」ことです。
例えば机リフレクションであれば、机の上にカメラを置くくらいのイメージで撮っても良いですし、机より僅かに下の位置から、机の上面と庭園を両方映すイメージを持っても分かりやすいかもしれません。
これは何も机リフレに限った話ではなく、瑠璃光院では廊下の床などあらゆる「ツルツルした面」にリフレクションしていますので、廊下のリフレクションを撮る際は、ちょっと恥ずかしいですが廊下の足元スレスレにカメラを構えましょう。
(人、特にスカートを履いた方がいるときは絶対にやめましょう!)
ポイント3:あまり広角にしすぎない
前の項目でも少し触れましたが、あまり広角で撮影しすぎるとどうしても広角歪みが生じてしまうため、個人的には28mmくらいの標準域ワイド端くらいがちょうど良い印象です。
スマホなら最も普通のカメラモードですね。
また、瑠璃光院は平日でも結構混雑しているため、あまり広角で撮影しすぎると人が映ってしまう可能性があります。
瑠璃光院の周辺の観光スポット
瑠璃光院を訪れる際には、周辺の観光スポットも合わせて楽しむことができます。
(そもそも瑠璃光院だけでは、散策時間や撮影時間、写経時間を入れても滞在時間2時間も超えないと思います。)
先ほどのアクセスの話に戻ると、バスを使われる方であれば、四条河原町(京都の街中)まで40分程度で戻れますので、そこに戻って普通に京都の街中観光を楽しむのも良いでしょう。
また、逆方向で行くと、同じく京都バス、もしくは叡山電鉄で、貴船神社までもそれほど遠くはありません。
(貴船神社、鞍馬寺へ行く場合は、叡山電鉄を使うのが良いでしょう。
瑠璃光院のお抹茶席とおすすめの時間帯
瑠璃光院に行く際には、拝観開始時間直後や夕方など、時間帯を選ぶことも重要です。
特に朝は、観光客がまだ少なく静かな雰囲気が漂い、庭園の美しさを存分に楽しむことができます。また、夕方に訪れると、時間に余裕はありませんが、どんどん人が減っていきますので、また一味違った瑠璃光院を楽しめると思います。(閉館直前の時間帯だと、観光シーズンでも書院を独占できることもあります。)
ライトアップ等がある施設ではないので、できれば比較的空いていて朝の光が残っている午前中に参拝を済ませ、お昼ご飯を食べた後、四条河原町界隈や貴船神社、鞍馬寺方面に観光するのが個人的なおすすめですね。
ちなみに瑠璃光院では、お茶券を購入すると、縁側でお茶菓子と抹茶を楽しむことができます。
休日などの混雑時には少し待ち時間が発生するかもしれませんが、せっかくなのでおやつ替わりに、お茶をいただいていきましょう。